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「そろそろ子供に運動系の習い事を始めさせようかな?」
「ゴールデンエイジってよく聞くけど、何をすれば正解なの?」
子供の成長に向き合う中で、こうした疑問を持つ保護者の方は多いと思います。
一方で、
「この時期に○○をやらないと手遅れ・失敗」
「ゴールデンエイジ期の過ごし方で将来が決まる」
といった、少し不安をあおる情報も目につきがちです。
しかし、
ゴールデンエイジとはあくまでも神経発達の目安としての概念で、環境や個人差も大きく、過度に敏感になる必要はありません。
ただ、「子供の可能性を広げる選択肢として運動の効果が顕著に表れやすい時期」ではあります。
適切に理解し、環境を与えてあげることが、その子の生活をより豊かにする一面もあるでしょう。
この記事では
- ゴールデンエイジとは何か
- その時期に運動が果たす本当の役割
- 子供一人ひとりに合った運動をどう考えればよいのか
について解説します。
ゴールデンエイジとは?年齢区分とよくある誤解

ゴールデンエイジとは、アメリカの医学者スキャモンが提唱した発育・発達曲線(スキャモンの成長曲線)をもとに、日本のスポーツ教育分野で広く使われるようになった概念です。
この成長曲線では、身体の発育を
「神経型」「一般型」「生殖型」「リンパ型」
といった組織ごとに分け、20歳を100%とした発達の推移を示しています。
このうち神経型の発達は、幼少期から急速に進み、9〜12歳頃にほぼ完成に近づくとされています。
この時期が、一般に「ゴールデンエイジ」と呼ばれています。
ゴールデンエイジに高まりやすい能力
神経系の発達が進むこの時期は、
・動きを見て真似する力(運動センスや模倣能力)
・身体を思い通りに操作する能力(技術力、巧緻性)
・体の重心を安定させ、周囲の状況や距離感、タイミングを把握する能力(バランス感覚、空間把握能力)
等の運動の土台となるスキルが高まりやすい時期と言われています。
また、ゴールデンエイジの前後の時期は「プレ・ゴールデンエイジ」(おおよそ5~8歳)「ポスト・ゴールデンエイジ」(13歳以降)とも呼ばれています。
| 名称 | 年齢区分 | 特徴 |
|---|---|---|
| プレ・ゴールデンエイジ | おおよそ5〜8歳 | 多様な運動遊びを通じて、動きの引き出しを増やす時期 |
| ゴールデンエイジ | おおよそ9〜12歳 | 動作の習得がスムーズになり、運動センスや模倣能力、巧緻性などの運動スキルの獲得がしやすい時期 |
| ポスト・ゴールデンエイジ | 13歳以降 | 神経系はほぼ完成し、筋力・パワー・スピードなどの既存スキルが深化する時期 |
ただし「ゴールデンエイジ=将来が決まる」は誤解
ここで注意点ですが、ゴールデンエイジの概念は、あくまでも医学的・生理学的な目安であり、
「この年齢で必ずこうなる」「この時期を逃すと取り返しがつかない」
というものではありません。
実際には、
- 成長のスピードには個人差がある
- 家庭環境・学校環境・指導者の関わり方の影響も大きい
- 思春期以降に一気に伸びる子も珍しくない
という事実があるためです。
したがって、ゴールデンエイジを過度に特別視したり焦りの材料にする必要はありません。
それでもゴールデンエイジは「活かす価値がある」と考えます
一方で、運動を始める時期によって「運動のうまさ」や「技術習得のノビ」において経験の差が出やすい競技があるのも事実です。
例えば複雑な複数の動作や判断のスキルを必要とする野球やサッカー等でその傾向がみられます。
メジャーリーガーの大谷翔平選手は小学2年生(7歳ごろ)から野球を本格的に始めたようですし、サッカーの三苫薫選手も7歳ごろから本格的にサッカーのチームに加入したそうです。
ただしこれは、「特定の運動種目を早く始めたから成功した」という単純な話ではありません。
示唆されるのは「早い段階で運動経験を積むこと(単一種目とは限らない)が、その後の技術習得を助ける可能性がある」という点です。
たくさんの子供を指導してきたインストラクターとしての私の肌感覚としてもそう感じます。
だからこそ私は、ゴールデンエイジを
「子供の可能性を広げる選択肢として運動の効果が顕著に表れやすい時期」
と捉えています。
焦らせたり、過度に他の人と比べたりするための基準ではなく
その子の「運動」を通じた可能性を広げるための機会
として家族や私たち指導者が環境を整えてあげることが重要と考えています。
私が考えるゴールデンエイジにおいて運動が果たす役割
最初に述べたようにゴールデンエイジという言葉は
「この時期に技術を身に付けると有利」
「将来の競技力につながるから早めにやらせた方が良い」
といった文脈で語られることが多いです。
トップアスリートの多くがプレ・ゴールデンエイジやゴールデンエイジ頃から専門種目のトレーニングを開始している点からもこの事実に相違はありません。
しかし、現場で多くの子供たちと向き合ってきた立場から見ると、ゴールデンエイジ期の運動の役割は「それが全てではない」と感じています。
私の考えるゴールデンエイジ期の運動の役割は3つあります。
運動の役割1)「できた」という経験を積み重ねる

日常生活で子供たちに「できた」という経験をさせられるシーンは様々あると思いますが、ゴールデンエイジ期における運動は、多くの「できた」を経験させられるチャンスの一端を担っています。
実際の体操指導の現場でも、極度に運動が苦手だった子たちが小さな「できた」を積み重ね、自分に自信をつけていく様子を何人も目にすることができました。
運動の役割2)「自分でやってみよう」という主体性・積極性をはぐくむ

運動を通じてたくさんの「できた」を積み重ねて自分に自信がついてくると、
「自分でやってみよう」
「この運動のコツは何かな?」
「今回は失敗しちゃったけど、どうやったらできるかな?」
という主体性・積極性がはぐくまれ、問いを立てる力も発達します。
主体性・積極性・問いを立てる力がはぐくまれると、単に運動が上達するだけでなく、日常生活や、学習面でもポジティブな効果が生まれます。
運動の役割3)好きなこと・熱中できることに出会う機会を提供する

ゴールデンエイジ期に、さまざまな運動を経験することは、「どの競技が向いているか」を決めたり「競技力を高める」ためのものだけではありません。
- いろいろやってみる
- 楽しい・楽しくないを感じる
- 自分なりの「好き」を見つける
- 熱中する・没頭する
- 継続によって「自分はがんばれた」という自己肯定感が高まる
というプロセス自体に価値があります。
最初は「なんとなく始めた運動」が、気づけば「大好きなスポーツ」になることも珍しくありません。
「大好きなスポーツ」を見つけ、続けられる過程で身に付けた自己肯定感は、その子が将来どんな道に進んだとしても、その子を支える土台となると考えます。
ゴールデンエイジ期に大切にしたい運動の考え方
ここからは、
- プレ・ゴールデンエイジ期
- ゴールデンエイジ期
- ポスト・ゴールデンエイジ期
において大切にしたい運動の考え方を私の視点で書かせていただきます。
あくまで「こうすべき」という正解を示すものではなく、
子供たちの運動を通じた成長を考える際の一つの判断軸として読んでいただければと思います。
プレ・ゴールデンエイジ期の運動の考え方(約5~8歳)

プレ・ゴールデンエイジ期は、「うまくなること」よりも運動を前向きに楽しめるかどうかを大切にしたい時期です。
走る・跳ぶ・回る・投げるといった多様な運動遊びを経験することで、神経回路が広がり、将来どのスポーツに取り組む場合でも活きる基礎が育ちやすくなります。
この時期は成長の個人差も大きく、できる・できないに一喜一憂する必要はありません。
「楽しい」「もっとやりたい」という気持ちが続くこと自体が、十分に価値のある成長だと捉えてよいでしょう。
ゴールデンエイジ期の運動の考え方(約9~12歳)

ゴールデンエイジ期は、動きを吸収しやすい一方で、運動との向き合い方がその後にも影響しやすい時期です。
この時期に大切なのは、結果を急ぐことよりも、楽しさや達成感を感じながら運動を継続できる環境を整えることです。
専門的な種目に取り組み始めても問題はありませんが、完全に一つに絞る必要はなく、さまざまな運動要素を経験しながら体力や運動能力の土台を広げていく視点も重要です。
できたことを認め、できなかったことを責めない関わり方が、子供の自信と意欲を支えます。
ポスト・ゴールデンエイジ期(13歳以降)

ポスト・ゴールデンエイジ期以降は、神経系の発達が落ち着き、自分で考えながら運動に取り組む力がより重要になります。
指示をこなすだけでなく、工夫や試行錯誤を重ねる経験が、競技力だけでなく人としての成長にもつながります。
一つのスポーツに本格的に取り組む選択も、新しい分野に挑戦する選択も、どちらも間違いではありません。
目標を持ち、努力を継続するプロセスそのものを周囲が支えることが、この時期の運動の価値を高めます。
スイミング・体操・ダンス…どの運動を習わせるか|種目別の考え方
ここからは、よく選ばれやすい運動・習い事について、
向き・不向きや得られやすい運動要素を簡単に整理します。
あくまで私のインストラクター視点を含めた一般論なので、「この種目でなければいけない」という意味ではありません。
選択肢を整理するための参考として読んでください。
スイミングスクール

水泳は、
- 水の抵抗を受けながら運動することによる体力向上
- 水圧を受けながら呼吸をすることによる心肺機能強化
- 皮膚を刺激することによる体温調節機能の向上
が得られるスポーツです。単に泳ぎの技術を身に着けられるだけでなく、風邪を引きにくくなったりグループレッスンによる社会性が身に付く点もメリットと言えます。
毎年の子供の習い事ランキングでも常に上位で最初の運動の習い事として第一選択肢として考えるご両親も多いでしょう。
スイミングは、体力作りをしたい子、全身のバランスを鍛えたい子、水への恐怖心をなくしたい子に特におすすめです。
進級制度があるので、コツコツと努力できる子、頑張り屋な子にも向いています。
体操教室・体育教室

体操教室・体育教室は
- 多様な運動遊び・運動を通して身体の調整力を高められ運動神経が良くなる
- 柔軟性が上がったり、転びにくい・転んでもケガをしにくい、必要な筋力が鍛えられるなど総合的な身体のバランスが整う
- 技ができるようになる経験を通して自己肯定感が高まる
といった役割を担います。総合的な運動能力をつける第一歩、身体能力の土台として選択するご両親が多いです。
体操教室・体育教室は
- 「体育の授業で習う種目を中心に、苦手を好き、得意に変えてあげる教室」
- 「運動経験を積ませて総合的な運動能力を育てる教室」
- 「特に運動が得意な子が専門スキルを身に付け、競技会に出場したり、アクロバティックな運動を身に付ける教室」
まで様々なコンセプトで運営されています。
子育ての方針や子供の運動能力に応じて相性があるので、まずは見学・体験するのがおすすめです。
ダンス教室

ダンス教室は
- リズム感を養い、タイミングの感覚も身に付くので運動センスが磨かれる
- 元気いっぱい身体を動かすことで社交的で明るい性格に育つ
- 身体の柔軟性や体幹が強化され、身体的なスキルや体力が向上する
といった特徴を持ちます。
学校体育の必修科目になってから、子供に習わせるご両親が増えるようになりました。
音に対する感覚や表現力も磨かれ、情緒豊かな子供に成長していきます。
- 音楽や表現するのが好きな子
- テレビや動画のダンスを見て真似をするのが好きな子
- 何かに夢中になれる集中力がある子
が特にダンスの適性がある場合が多いです。
リズム感や表現できる能力の獲得は、単にダンスコンテスト等で良い成績を収められるようになる方向性だけでなく、社会性が磨かれる側面もありますし、たとえダンスから別の方向へ方向転換しても有益な経験となるでしょう。
まとめ:ゴールデンエイジ期の運動経験を活用すれば、子供に合った成長をサポートできる
ゴールデンエイジは
「子供の可能性を広げる選択肢として運動の効果が顕著に表れやすい時期」
です。
「この時期に○○をやらないと手遅れ・失敗」
「ゴールデンエイジ期の過ごし方で将来が決まる」
といった、過度な「煽り」に振り回される必要は全くありませんが、
この時期に子供が「好き」と思える運動を経験させてあげることが
- 競技力の向上という側面だけでなく、
- 自己肯定感を高めたり、
- 自分で考える力
- 粘り強さ
- 努力できる精神力
を身に付けるきっかけになると私は考えています。
- 送迎の時間が現実的か
- 月謝や追加費用が家計を圧迫しないか
- 保護者の負担がストレスになっていないか
などのご家族が無理なくサポートできるか、という点も併せて検討しながら、ゴールデンエイジ期の子供たちの運動環境を整えてあげられたらと思います。
